「ネットワークの聖女」 イラスト 平井久司 ISBN4-07-308844-0 定価610円(税込) 345ページ、200g |
いままでと一味違う清純派のヒロイン、アリエルの出てくる話。
実際のところ、肌をジークに見られて恥ずかしがるのは、この娘だけである。
いままでの3巻までと違って、この巻では、話の構図がちょっとばかりデカくなってくる。なんと銀河大戦のお話。4巻と5巻は続き物になっていて、2冊あわせて銀河大戦の勃発から終結までということになる。
攻めてくるのは侵略異星人、その名を《ストーカー》。
3巻でちょっとばかり出てきた敵。
こいつら、悪いやつ。銀河中の未開種族を手込めにしようと狙っている銀河列強種族。
……といっても、《力》がものをいう銀河文明で、悪も正義もへったくれもないんだけど。
手込めにされるのが嫌だったら、人類は力で打ち勝たなければならないのだ。
しかし敵はすべての個体が《ヒーロー》と同等の《力》を持つ種族。……っていうか、銀河文明で知的種族として認められるには、《力》を持っていなければならない。若干数の《ヒーロー》と《ダーク・ヒーロー》を擁する人類は、ようやく知的種族の入口にさしかかったばかり。そんなんで勝てるのか? がんばれ人類。
この巻になって、ようやく人類文明圏の設定なんかを、すこしだけ書くことができた。いつもキャラとストーリー優先でやってるもんで、世界設定とか書くの、ぜんぜんおざなりになってるし。
まあ数ページにわたって延々と設定を書いていったりすれば、それであらかた終わるんだけど、そーゆーの嫌い。やっぱエピソードにからんでないと……。設定だけ、ドカンと書いたってねぇ。
あと、そうそう。
《ヒーロー》と《ダーク・ヒーロー》の実例ってのも、ようやく書けた。スカーレットとライナスのどつき漫才コンビと、シェラザードたち《ダーク・ヒーロー》の十二姉妹とか。
《ヒーロー》と《ダーク・ヒーロー》の実在する宇宙っていうのが、星くずの星くずたるオリジナリティなんだけど、いままでその実例を書けなくて心苦しかったのだ。
《ダーク・ヒーロー》側はカシナートとか出てきたけど、《ヒーロー》側がぜんぜんだった。
スカーレットとライナスのふたり。この二人はだいぶ《力》が強いほうだけど、おおよそこんなもん。《ヒーロー》っていう連中は。じつのところ、ジークみたいなのはすごく特殊な存在だったりする。