「宇宙樹の少女」 イラスト 平井久司 ISBN4-07-307603-5 定価570円(税込) 331ページ、192g |
時間モノの話。
やはりスペオペをやる以上、時間モノは一度は通らねばならぬ道。
現在にはじまって、15年未来に行って、15年過去に行って、そして違う歴史の「現在」に戻ってくる話。
章立てもそのまま3章構成で、自分としてはきれいにまとまったかなと思っている。
ちなみに表紙に見えている二名は、エレナ11歳にカンナ24歳。
時間モノで過去に行くわけだから、もちろん目的は過去の改変による悲劇の阻止。
過去を改変することによるタイムパラドックスの解法としては、まず聞いたことがないようなものにしたつもり。「そんなんアリか?」という声が聞こえてきそうな、掟破りな手法かも。《ヒーロー》のいる世界だからできることだよなぁ。うんうん。
エピソード的には、1、2巻であまり書けなかった各キャラの生い立ちなんかをだいぶ入れられて作者は満足。
アニーとエレナがメインになってて、このふたりの過去は、これでほぼすべて明かされたかな。
あとカンナの秘密も少々。こいつは依然として謎の人だけど。
ジリオラについては……。まあそのうち。外伝とかになっちゃうかなぁ。
ちなみにこの巻のエンディングは、いまのところ、星くずのなかでいちばん気に入っているシーン。